お久しぶりです
今回はCGを手描きにプロジェクト、最後の実験を行ったので報告していきます!
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まず、前回、私の中でだいぶ完成に近づいたのですが、そのあと何をすればいいのかというところで終わってしまいました。
今回も思い浮かばなかったので、とりあえず成果報告のために、作品らしいものを作ろうと考えました。
そこで使用したモデルがこちらです
ネットでナウシカのフリーリグがあったので使ってみました!
マテリアルもトゥーンなので、今までの動きの成果と合わせれば、手描きのようになるのではないかと思います。
そして完成したものがこちらです↓
このシーンは、虫笛をキャッチする、序盤のシーンですね。
時間がなく、フレーム数は足りていないのですが、割といいのではないでしょうか…?
ただ比べてみるとわかる通り、ジブリってやっぱりすごいですね!!!!
まず、このシーンをやろうと思った時に、一枚ずつ書き起こしてみました。
まず、最初が真正面でないところ、構図がすごいですね!
そして前に進みつつ、画角ぎりぎりでカーブ。最後は真横からナウシカのかっこいいショット。
笛を取りつつ、上に振り上げ、進行方向を見る。その疾風感がとても気持ちいいです。
そして、笛を取るまでの間と、取った後の動きの速さにメリハリがあり、見ていて飽きません。
このシーンは音楽もいいんですよね~♪キャッチした瞬間に壮大になるんです!
CGで再現するにあたって、この一連の動きを模倣できませんでした。
それは動きに限りがあるからです。
関節を曲げる限度があったり、いくら遠近法を使っても、実際では体が伸びない限り、描けない画であったり…
この動きの固さがCGらしさを作ってしまっている原因の一つだと、この実験で感じました。
興味深い記事があります。
秋本:そもそも「CGっぽくない絵」ってどういうことなんだろう?というところから考えました。例えばCGだと絵が綺麗に繋がりすぎて滑らかに見えすぎてしまう、など。作画さんの作り方は、次の絵を想起させるような動きを一枚づつ作って繋げるというもの。描いた絵を1秒に12枚や8枚入れることで表現しているわけですが、単純にCGの動きを12コマや8コマに落としてしまうと、ものすごくガタガタに見えるんです。
――その違いはどうして生まれるんでしょうか?
秋本:単純にCGでコマを落としてしまうと、キーポイントというか、原画のポイントを抑えていない絵が出来てしまうことが多く、そのせいで絵がつながらずに飛んだように見えてしまってガタガタとした硬い印象になってしまうのだと思います。
なので、小西さんにCGアニメーションに対して作画で修正を入れてもらった際も、ただ修正を盲目的になぞるのではなく、描かれた線を一枚づつCGスタッフが描いてなぞり、「どの線がどのように繋がると気持ちよい動きになるのか、動きのコアな部分はどこなのか」といったことを研究、把握してからCG作業に入ってもらったりしてました。『あの凄まじい映像美はどう作られたのか?STUDIO4℃が語る映画『海獣の子供』制作の裏側』より抜粋(https://area.autodesk.jp/case/animation/studio4c/)
私がやってきたことや、考えたことの答え合わせのような記事です!
これは映画『海獣の子供』を制作したスタッフのインタビューです。
「単純にCGのフレームを落とすだけではガタガタしてしまう、大切なのは、手描きアニメーターがそうしているように、次の動きを考えながら、絵作りをすること」というのは、とてもシンプルではありますが、腑に落ちる意見です。
今回、なぜこんなにフレーム数の少ないアニメーションになってしまったのかというと、
最初に、CGで補完してもらいながらキーフレームをつけ、そのあと、2コマずつキーフレームを付けて、steppedという機能で、補間を外したのですが、そうすると、とてもガタガタしてしまいました!
まさに言っている通りですね!
そこで4コマまでおとして、すべて絵作りをしながらキーフレームを打つ(それもジブリのめちゃすご構図を、です…!)、という途方もない作業になってしまい、時間が無くなってしまいました…
しかし、ここからわかることは、つまり、CGが手描きのようなアニメーションにするためには、手描きアニメーションと同じ工程を違う手段で踏めばよい!ということです!
手描きでは、一枚ずつ絵をかきますが、CGではリグを使って、モデルを動かします。その手段は違えど、一枚ずつ絵作りを丁寧に行い、マテリアルを手書き調にすれば、CGでも手描きアニメーションのようなものが作れる!ということです。
これ、見覚えありませんか?
そうです!以前紹介したディズニーの「紙ひこうき」の作り方に似てますよね。
彼らも、一フレームずつ調整していました。
先生には「書いた方が速そう」と言われてしまいました😅
これにはメリットとデメリットがあります。
メリットは、リグを動かすので、簡単にポーズを取らせることができます。
デメリットは、ポーズにも限界があり、求める画によってはめんどくさそうな調整を行わなければいけないことです。
モデルを作り、リグを動かし、一枚ずつ絵を作っていくのと、
一枚ずつ絵を描いていくのでは、
果たしてどちらの方がコスパが良く、良いアニメーションを作れるのか…
きっといろんな人がこの答えにたどり着いたことと思います。
そしてこの問題にぶち当たり、各々選択をしていき、コンテンツを作り出していったのだと思います。
さて、プロジェクトにも答えが出たことなので、ここで終わりにしたいと思います。
とても有意義な実験を行うことができました!
ご指導いただいた佐々木先生には感謝しております。
今後もCGを使っていろんなものを作っていきたいと思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
またいつか更新するときまでさようなら~!
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