CGを手描きにプロジェクト#1 ~コマ撮り~

CGを手描きアニメーションに近づけるには、それぞれの相違点を知ることから始めようと思いました。
まずは、制作工程から。

--------------------------------------------------------------------------------
<手描きアニメーション>
「作画」と言われる制作工程
・原画:動きの基本の絵、動きを作るための絵
・動画:原画の清書と、中割り
・彩色:色指定、スキャン、デジタルペイントかセルに彩色
高井陸雄. 「日本におけるテレビアニメの作り方」. http://www1.tcue.ac.jp/home1/takamatsu/106259/sotsuron.html, (2022-05-12). より

<CGアニメーション>
アニメーションの制作工程について
・キーフレームを打つ
・キーフレーム間をソフトがつなげる(補間)
「CGアニメーションの仕組み」. アニログ. 2020-04-10. https://3dcg.comaroku.com/how-cg-animation/, (2022-05-12). より
--------------------------------------------------------------------------------

以上の情報で最も違うこと、それは
『中割り』
だと私は考えました!
手描きアニメーションでは「動画」という作業で人が「補間」の作業を行います。
CGではそれをコンピュータが自動で行います。
その補間の方法が、CG独特の動き方につながるのではないかと思ったのです。

そもそも「中割り」とは…
中割りというのは原画と原画の間を動いているように見える絵を描くことです。
「中割りの基本」. CLIP STUDIO TIPS. https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/954, (2022-05-12). より
原則として、1秒間に12枚の絵を流すと、スムーズに見えます。つまり、2フレームに1枚の絵を入れる形です。これを2コマ撮りと言います。
動きの激しい所は1秒間に24枚、コストをかけられないときは8枚(3コマ撮り)になるそうです。
一方CGでは、1フレームごとに動きがあります。1秒間に24枚動かしています。
そこでは私は、CGで2コマ撮りや3コマ撮りを真似してみたら手描きアニメーションに近づけるのではないだろうか!と考えました。そして実験を行いました。

<実験内容>
1. 最初にキーフレームアニメとして、アニメーションを作る。
2. そこから偶数枚を削除し、奇数枚をコピーする
すると2コマ撮りと同じ原理、つまり、2フレームに1枚の絵を持ってくることができる、という理屈です。
そうすれば、動きがなめらかではなくなり、あのCG独特の、ぬるぬるした動きにはならないはずです!
その映像がこちらです。同じように3コマ撮りと同じようなことも行ってみました。



あれ…?動きが遅くなっただけでぬるぬると動いているように見えます。
やりたかったことと違う…
よくよく調べて見るとこの実験がやったことは「コマ落ち」という現象と一緒みたいです。
ゲームやzoomでフレームレートが落ちる瞬間があると思います。それを「コマ落ち」といいます。
そこで気づきました。『フレームレート』という存在を全く分かってなかった!
私が今回行ったことは、30fps(1秒間に30枚動く)のものを15fps(1秒間に15枚)、10fps(1秒間に10枚)にしただけでした。
(そもそもアニメや映画は24fpsなので、なぜ30fpsで臨んだのかというところから疑問がわいてきます…😅)

加えて、「仮現運動」という現象があります。人は、間を補完してしまう能力があるようで、これによってアニメーションは成立しているわけですが、ここが落とし穴でした。
CGの動きを歯抜け状態にしても、人間はCGの動きに合わせてその間を補完してしまうのです。つまり実際にぬるぬると動かしていなくても、脳がぬるぬると動くように補完してしまい、手描きアニメのようには動かないのです。
そうなると、今度考えるべきは、私たちはどこにCG味を感じているのか、手描きアニメーションとCGアニメーションの違いをどこに感じているのか、ということを調べる必要があるようです。
次回までの課題が見つかりましたね!(笑)

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

コメント